何かと最近話題になっている通称スマホ新法(スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)が話題になっていますね。
内容的にはEUのデジタル市場法(DMA)に似た法律でプラットフォーマーの規制を撤廃し健全な競争を推進する法律です。
おおまかな内容は以下の通りです。
<禁止事項>
https://news.yahoo.co.jp/articles/c844fce4bed06ddfb277a54253e0beb496748275
○他のアプリストアの提供妨害の禁止
○モバイルOSの機能の利用妨害の禁止
○他の課金システムの利用妨害の禁止
○アプリ外課金等の提供妨害の禁止
○検索結果の表示における自社優遇の禁止
<遵守事項>
○取得データの利用者に対する移転に係る措置
○デフォルト設定の変更、選択画面の表示に係る措置
○追加インストールの同意、アンインストールに係る措置
上記の内容から、特にAppleの新機能の公開が遅れたり制限されたりする可能性があると世間では話題になっていますが、
今回私たちが注目すべきは上記の中でも「他のアプリストアの提供妨害の禁止」に注目してこの点がエロゲーマーや二次元アダルト好きににとって利点になるかもしれないというお話です。
iOSでのサードパーティアプリストア開放による表現規制緩和の期待
iOSではサイドロード(公式のアプリストア(iOSのApp StoreやAndroidのGoogle Playストアなど)を経由せずに、デバイスにアプリやファイルをインストールすること)は出来ず、AppStore経由の規約に則ったアプリしか公開出来ません。
そのため、ネイティブアプリケーションとしては多数のエロゲやFANZA GAMES等のエロソシャゲの配信は不可能です。
(ブラウザベースのPWAアプリ・全年齢版・企業認証アプリを利用した不正配信除く)
ただし、Androidではサイドロードが解放されておりGooglePlayストアを介さないのインストールが許可されているため18禁のエロアプリ等が多数配信されています。
以下はDMM GAMESストアアプリで配信されている実際の画面です。

スマホでPCと同様にエロソシャゲやエロゲーがやりたいが、Androidしかできないために仕方なくAnrdroidの端末を選択していた方も多くいると思われますが、今回の法施行による規制緩和によりこういったアプリが配信が可能になる可能性があります。
先行して同様の法律が施行されているEU圏ではAltstoreというサードパーティアプリストアを経由してアダルトアプリの配信が実現しています。
Apple手数料による参入・維持障壁
今回の法施行によりサードパーティのアプリストアが開放されることはエロゲやエロソシャゲをネイティブアプリとして利用出来るようになるかもしれないという大きなメリットや期待がある中で、日本国内の事業者が参入できるかという課題があります。
まずはサードパーティアプリストア事業者に課される「Apple Core Technology Fee」という手数料です。
「Apple Core Technology Fee」とは、サードパーティアプリストアを運営する際に必要な手数料となっており「アプリのインストール数(初回のみカウント)が、最初の100万インストール後は1インストールごとに0.5ユーロをAppleへ支払う」となっています。
Tools4hack様の記事より一部抜粋
- 売り上げが1000万ユーロ未満:最初の3年間は支払う必要なし
- 売り上げが1000万ユーロ〜5000万ユーロ:3年間の上限100万ユーロとして、支払う必要がある
- 売り上げが5000万ユーロより多い:最初の100万インストール後、1インストールごとに0.5ユーロを支払う
- 4年目以降:免除や減額はなく、Apple Core Technology Feeの全額を支払う必要がある
日本ではどのような形になるのかはわかりませんが、Androidでアプリストアを運営する場合はストアアプリの開発・運用維持費の他に、iOSでは加えて上記の手数料がプラスでかかってくる可能性が高いです。
加えてサードパーティアプリストアを配信する事業者はアプリストアのアプリの年間の初回ダウンロード数に応じた手数料をAppleに支払う必要がある他、配信される一つ一つのアプリでAppleの審査があり公証を受ける必要があります。
ただし、その審査の条件はAppStoreほど厳格では無く、かなり緩和されています。
上記のことから、アプリストアを提供する事業者側の負担がかなりかかってくるため、参入出来たとしても運営を維持出来るかが問題になってきそうです。
アダルトアプリ配信についてのAppleの懸念表明
先述したAltstore PALではアダルトアプリの配信がされていると述べましたが、配信直後にAppleは下記のような懸念を表明していました。
このタイプのアダルトアプリがEUユーザー、特に子どもたちにもたらす安全性リスクを深く懸念している
EUで初のiOS向けアダルトアプリが登場、Appleは懸念表明 gori.me
EUだけでなく、日本でも配信が可能となればこういったアダルトに関連するものに過剰反応するユーザや世間の声によってApple側も対策するほかなくなり、配信が出来なくなるといった可能性もありそうです。
この部分についてはアプリを配信する事業者側がしっかりと対策を取って配信されれば問題になることはないかも?
まとめ
- スマホ新法施行によってAppStoreやGooglePlayなどを介さないアプリがインストール可能になる
- 上記によってiOSでもネイティブアプリとしてエロゲやエロソシャゲ等ができる可能性が高いよ!
- ただし、Appleから課される手数料に事業者側は耐えられるか怪しいよ
- Appleはアダルトアプリの配信に懸念を表明しているし、出来たとしても世間の声などによって懸念も捨てきれないよ
上記がまとめです。
筆者自身も機能性やパフォーマンスの安定性からメインではiPhoneを使っているのでiOS上でエロゲやエロソシャゲがネイティブアプリとして遊べたらどれほど幸せなことか…
是非とも実現されると嬉しいです…
それでは~